歌会始の儀

昨日、一月十四日 皇居・宮殿「松の間」にて恒例の
「歌会始の儀」が執り行われました。

平成二十三年のお題は『葉』。

そのなかで、高円宮妃久子さまがお詠みになった、

 「新年(にひどし)に
        めでだく飾る楪(ゆづりは)の
                葉に若きらの夢たくしたり」


この歌にある楪(ゆづりは)は、ご存知の方も多いかと思いますが、
少し補足しますと、この葉は、「譲り葉」との名もあり、
若葉が育つにつれ、古葉がそれを、ゆずるように落葉することから
その名がついております。

一家の子孫繁栄を象徴することから、お正月飾りなどに用いられます。
「伊勢のしめ縄」にも、このゆずり葉は、なくてはならないものです。

この歌に込められたおもひのままに、託されたこれからの世代に何が
できるのか。それは、このゆずり葉のように、次の世代へ夢を託せる
今をつくることでもあります。

来年、平成二十四年のお題は『岸』。

この閉塞感が漂う中を彷徨う、今の社会から辿り着くべき岸辺を
探す旅であるかのように。

この歌会の儀を以て一連の年始行事を終えます。